当時の林被告は、江尻さんに対して恋愛に近い強い好意の感情を抱いていたからこそ、来店を拒絶されたことに困惑し、抑 うつ状態に陥るほど真剣に思い悩み、もう江尻さんに会えないとの思いから絶望感を抱いた。抑うつ状態をさらに悪化させ、結局、強い愛情が怒りや憎しみに変 化してしまったことから殺害を決意するに至ったと認められる。
このような林被告の心理状態の形成には、約1年間にわたって店に通い詰めて いた当時の林被告と江尻さんとの表面上良好な関係が、少なからず影響していることも否定できない。これらのことからすると、林被告が犯行に至った経緯や江 尻さん殺害に関する動機は、極刑に値するほど悪質なものとまではいえない。